君が力尽きた時 自分を見失った時
俺を求めるなら
「Call my name jus'call and I'll be there.」
俺の名を呼べ 傍にいるから。
I'll be there
必ず、傍に行く。
そう言って力強く握り締めた手と、抱きしめてくれた腕のぬくもりはまだ消えてなかったけれど。
戦の音は遠ざかり、草の匂いが鼻をかすめる。
月が見えた。
星が見えた。
前に最後に見たのはいつだったのか。
おぼろげだった。
その時傍にいたのは心酔していた主君だったのか
忠実で家族のような忍だったのか
それとも、彼だったのか。
思い出せなかった。
だけど、星は美しく、尖った月は美しかった。
あの時は…桜も美しかった。
ああ、そういえばこう言っていたっけ。
『俺の名を呼べ。』
Call my name Call my name Call my name…
「まさ、むね 殿…。」
「遅ぇよ。」
「…あ…。」
ガサリ、と音がして もう一つ月が現れた。
その姿を見て、幸村は目を見開く。なぜ、ここに。
言葉にせずともその問いは幸村の表情にすべて現れていた。
政宗はひとつ舌を打つ。
思い通りにならない事をいらだつ子どものように。
「Shit…呼べって言っただろーが…。」
幸村はかすかに口の端を上げて笑みをつくる。
精一杯の力で。
「答えになって…おりませぬ、な…。」
「Shut up…。」
苦々しくはき捨てるが、政宗は幸村から視線をはずさなかった。
むしろその目に焼きつけるかのように鋭い眼で見た。
そうだ、さっき思い出したばかりだった。
「あいる、びー、ぜあ…でしたな…。」
「……ああ、よく覚えてたな。」
いつか言った、約束。
傍にいるから 傍にいるから 傍にいるから
傍に行くから。
「まこと…来てくださるとは…。」
「しゃべるな。」
政宗は幸村のいる草に膝を下ろした。
政宗の鎧が血に濡れる。
政宗は篭手をはずすと、幸村の頬に触れた。
「約束だからな…武士に二言はねえんだよ。知ってるだろ。」
「ええ…。」
「だから、傍にいる。 傍に…いろ。」
「……。」
幸村は目を細めて 柔らかく 頷いた。
そして瞳は閉じていく。
######
「政宗様。」
「…ああ。」
あの日から。
日の本一の兵、真田幸村が命を落としてから初めての春が来る。
いつか二人で愛でた桜の木も花を開かせた。
あの日の約束は形を変えども。
今でも護られていた。
彼の小さな骨を飲むことで…。
今でもここにいる。
I'll be there I'll be there I'll be there….
「If you don't call my name.」
end
えーと、MステにてDOPING PANDAの曲を聴き一気に思い浮かび。
こんな薄暗い文章になりました。
歌詞使いまくりですね。もし問題になったら削除します…。
全文英語の歌詞でしたがテロップの訳も素敵で、
何よりテンポのいいロックで聞き心地がよかったです!
おすすめです^^)伊達ソングとして聞けばまた美味しい。
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